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第23話:‘オトナ胎脂’を育てましょう|秘密の美容|植物性プラセンタ 穂のしずく

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~捨てる美容~ Natsumi Nishikiori

美容は毎日続けることがいちばん大切。
だからごくシンプルでなるべくプチプライス、
何よりも楽しみながら続けられる美容をはじめましょう。

第23話:‘オトナ胎脂’を育てましょう

第23話:‘オトナ胎脂’を育てましょう

キレイになりたいと思ううちいつの間にか増えてしまったコスメに、ため息をついている方も多いのではないでしょうか? 一度徹底的な棚卸しをして、最小限のアイテムに絞りたい…。ならば、いよいよ「捨てる美容」に取り組むべき時! そして同時に、本当にキレイになるチャンス到来です。

コスメを捨てることが、きれいになるチャンスである理由。それは‘オトナ胎脂’にあります。胎脂とはそもそも、おかあさんの胎内で赤ちゃんを包む、脂肪のおくるみのようなもの。赤ちゃんを保護しスムーズな出産を助けます。かつては出産後すぐに産湯をつかい洗い流していましたが、最近では汚れだけ拭き取り胎脂はついたまま、という産院もあるとか。胎脂が赤ちゃんの肌の保護となり、また生まれたばかりの赤ちゃんを病気からも守っているのでは、と考えられてきたようです。

それどころか、肌に最高ですよ、といっておかあさんの顔や手に塗るよう薦めるところまであるとか! そう、胎脂って、実は最高品質の美容クリーム。化粧品メーカーのなかには、この胎脂を再現しようと開発に真剣に取り組んでいるところもあるくらい。化粧品が行き着く最終目標と言われるくらい、胎脂はスグレモノなのです。

とはいえ、産院に行って赤ちゃんのを少々分けてもらうわけにもいかず…。いいなぁと羨ましがっていたある日、「もしかして、オトナだって分泌してるかも!?」と閃きました。それはある日の入浴中。かつてはシャーシャーと流れていたシャワーが、肌の上でコロコロ玉のように転がったのです。そのころ私は、ボディソープも石けんもやめ、シャワーで洗い流すだけにしていました。というのも汚れを洗い流すと同時に潤いも失われる→ボディクリームで潤いを補う、という作業が面倒くさくなっていたから。「いっそシャワーでふんわり流すだけにしてしまえ!」と、美容エッセイストとは思えぬ暴挙に出ました。すると…何だかお肌しっとり! そして特ににおいもしない! しかもシャワーが玉のように転がるという、子供のころ以来 数十年ぶりの感動を味わってしまったのです。

これって単なる皮脂とは呼びたくない、もっと凄い何かかも。そう考えた私はこれを‘オトナ胎脂’と命名し、どうすれば効率よくこれを肌の上につくれるか、どうすれば洗い流すことなくずっと肌を潤し続けてくれるかを観察しよう!と決意したのです。もし‘オトナ胎脂’育成に成功すれば、もしかすると化粧品をもっと減らせるかもしれません。そうしたらコスメを買うお金も、置くスペースも、スキンケアにかける時間も減らすことができます。これって、シャネルスーツ(女性を窮屈なコルセットから解放し、女性をお飾りとしてではなく、自立した存在としての立場を与えたとされる、ファッションの一大事)以来の大発見かも!とひとり盛り上がったのです。

で、現在。私は無事‘オトナ胎脂’育成に成功! 夏でも冬でも乾燥しない、いつもしっとり&サラサラのお肌を手に入れることができました。その方法を「素朴美容、はじめました。」という本にまでしちゃったのです。

これは同時に究極の「捨てる美容」でもあるわけで。この連載「捨てる美容」でも、少しずつこの美容法をご紹介していきたいと思います。

次回は、‘オトナ胎脂’って何でできているの?どうやって作られる?という点をお知らせしたいと思います。お楽しみになさいませ。

tips

東日本大震災に被災された方々に、知り合いの子供たちと栞をつくり、お送りしたことがあります。昨日そのうちのひとりの少年が、「土砂災害のひとにも送ろうよ」と。うれしくて泣きました。「そうだね、送ろうね」。幼い心にも、ひとを思いやる気持ちはちゃんと育っているんですね。

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